2011年8月31日水曜日

医療と文化


先日、僕が所属する『無銘会』の講演会に参加してきました。
福山市内でちょう外科の院長をされておられる数野先生が講師でした。
数野先生は、多くのがん患者を看取られてきた経験を活かして、「生と死を考える会」でその遺族の方たちと積極的に交流を図られておられます。そのなかで、先生は「わたしは2.5人称。家族以下、他人以上」の精神で終末医療に立ち向かってこられたそうです。

講習の内容は、時節柄、どうしても原発問題に触れざるをえなかったようです。PPTの資料もそうした関連のものが多くみられました。それはすなわち、「生き方」を考える上で、人間の生の根底が揺らぐ事態ですから、それ抜きには他を語れなかったのだと思います。
また、現在の医療の実態と、戦後の復興という大きな枠組みの中で、主に戦災を受けた諸外国との比較をしながら、その歩み方の違いを明快に語られておられました。

マザー・テレサの言葉「愛の反対は無関心」という言葉を引用されたときは、ずいぶんはっとさせられました。
また、ジョン・レノンの「imagine」は般若心経の世界観そのものだ、ともおっしゃられておりました。
「さわやか山の会」会長を務められる数野先生は、四国霊場巡りをするとき、般若心経とimagineがリンクしたのでしょうか。

終了後の座談会でも、時間を押して活発な意見交換ができ、とても内容のある会であったように思います。

これから、医療とケアマネージャー、という枠組みももっと変わっていかなければならないでしょうし、
いち市民が「無関心」を捨て、「愛」を持って、各世代ごとに・世代を超えて、本気になって、しっかり勉強し、熟考しなければ自分たちが望む未来はないとつくづく思いました。