2011年11月11日金曜日

違反建物。

さきほど、国土交通省より、建築士会連合会宛に注意喚起文書が回ってきました。

内容を要約すると
・・・「岩手県内で、4号建築物※において壁量不足※の建物が(平成11年から17年)73件確認された」とのこと。

ここでいう、4号建築物
これは、建物を建築する際に必要な申請(建築確認申請)の区分で、木造だと2階建て以下で高さや床面積が一定以下のもの、鉄骨やRC造だと平屋で床面積が一定以下のもの、が含まれます。

平たくいえば、建築士にとっては設計することが比較的「簡単な建物」です。
イメージとしては「木造2階建ての住宅」がぴったり当てはまります。

建築基準法上、この4号建築物には特例措置があって、建築確認申請書に添付しなくていい項目がたくさんあります。つまり、


『「簡単な建物」なんだから、建築士のモラルで責任もって設計してください。そこに関しては審査を省略します』


ということになっているんです。
すべての建築物を小さなところまで、事細かに審査することは労力に対して効果が薄い、という観点も含まれています。

しかし、今回の通達で建物の壁量不足が指摘されたわけです。
壁量とは、「筋交い」のことです。

建築確認申請書に添付しなくていい項目を、設計者がチェックしなくていい(もしくは重要視しなくていい)項目と捉えていたんでしょうか。


無知だったのか、悪意(知っててやった)のことだったのか。


この、特例措置も廃止案はずいぶん前から出ているようです。
どちらにしても、この建築士は罰せられねばならないでしょうし、こういう建築士が一人でも減るよう業界は努力をせねばなりません。

◯ネハ氏の構造計算書偽装事件以来、矢面に立たされてきた建築士。
その環境は非常に厳しく、待遇もいいとは言えない。。。。

しかし、がんばりましょう!
地震の国ニッポンで、誇れる建物をたくさん建ててきた実績があります。
ビルや超高層ビルを設計する人だけが建築士ではありません!
住宅を設計する人は、ただのコーディネーターではないのですよ!
誇りを持って仕事に臨みましょう!
一人ひとりの建築士が力を合わせ、この国に安全で美しくてかっこいい建物をたくさん建てましょう!
それが、私たち建築士の使命です!

※写真は、ピサの斜塔より傾いているとギネスに認定された、ドイツのSuurhusen村にある教会の尖塔 http://gigazine.net/news/20071107_lean_more_pisa/より

0 件のコメント:

コメントを投稿