2011年6月3日金曜日

ビジネスと職人。

一般的に、建築とは請負契約です。

請負 - Wikipedia


請負(うけおい)とは、民法の典型契約の一種であり、当事者の一方(請負人)が相手方に対し仕事の完成を約し、他方(注文者)がこの仕事の完成に対する報酬を支払うことを約することにより成立する(民法632条)。


この請負人は、多くの場合「建設会社」「工務店」であり、また設計契約も同様請負契約ですから「設計事務所」も請負人に該当します。この請負契約は、一般にビジネスです。お金を儲けるために、会社組織または個人が受注合戦を繰り広げております。

しかし。
多くの職人は、概ねビジネスとは無縁です。(だったはず、といってもいいかもしれません。)
ひたすらにいい仕事のことだけを考え、腕を磨き、常人には到底まねのできない領域を目指す。
「お金の計算をしはじめたら、職人じゃない」とは、とある棟梁の言葉。
また、永六輔さんの名言に「職人が自分で仕事の質を落とすってことは考えられません。
世間や客が質を落とせって言っている場合が多いですね。
連中は売れりゃいい、買えりゃいいんですから。」というのがあります。
※質は金額と置きかえられるでしょうか。

ドイツのマイスター制度は、国がしっかりとその立場を守っているように思います。
日本の場合は、自分で守らなきゃ、誰も(国も)守ってくれません。
請負契約の末端で働く職人たちは、「弱者」だなぁ、と感じることが少なくありません。
「日当」、つまりその日の稼ぎの積み重ねでしかお給料を計算できない建築職人は、
退職金もないし、有給休暇もない。働いた分だけです。

だから、請負人様やお客さまに守っていただきたいのです。
昔はしっかり守っていただいていたような気がします。

海外の名言にこういう言葉あるそうです。
「自分の手を使って仕事をする人は労働者。
自分の手と頭を使って仕事をする人は職人。
自分の頭と他人の手を使って仕事をする人はエグゼクティブである。」
エグゼクティブより職人がかっこいいと思う人が増えればいいなぁ。。。
がんばろう、技術力のニッポン!!

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